ガラス工房 ブンタロウ
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再生ガラスに新たな命を吹き込んだ「ガラス工房 ブンタロウ」のガラス
「たくさんの人に喜んでもらえるものより、ひとりの人に喜んでもらえるモノづくりがしたいと思うようになったんです」
土木からガラスの世界へ
琉球大学で土木を学んでいた壷内文太(つぼうちぶんた)さんは、在学中にそのような気持ちが芽生え、方向転換をしてガラスの道へと進む決意をしました。
「高校生の時に吹きガラス体験をした記憶はありますが、それがきっかけになったわけでもなく、特別ガラスに興味があったわけでもないのですが…。大学時代を沖縄で過ごして、沖縄に貢献できるようなことをしたいと思いました」
沖縄のガラス工房で修行をするか、県外のガラス専門学校で勉強するか。2つの選択肢で迷ったそうですが「横の繋がりを作っておきたい」という気持ちが強く、大学卒業後は秋田県にある美術工芸短期大学のガラスコースへ進学。2年間学んだ後に沖縄に戻り、ガラス工房で4年間見習いとして働きました。
ガラス工房立ち上げのためにパラオへ
そんな壷内さんに転機が訪れたのは、29歳の時でした。ガラスを生業としている先輩から、パラオ共和国でガラス工房を立ち上げるためのスタッフとして声がかかったのです。当時、パラオは日本ほど“リサイクルする”という考え方が浸透していなかったため、現地のスタッフに廃瓶を利用したガラス制作の指導をしました。
「パラオに行く前は“体験に特化した工房”を作りたいと思っていましたが、現地でガラスの魅力を伝えられたという実感があって、考えが変わりました。リサイクルを知らなかった人たちに、廃瓶から新しい作品を作りだすという仕組みがあることを知ってもらえて。ガラスの啓蒙活動を通して、国のあり方を変えるためのお手伝いができたことが大きかったです。その経験から『ガラスでいろいろなことができるかもしれない』と思いました」
パラオから帰国後は「ガラスに触れるきっかけを作りたい」と、glass gallery hub(グラスギャラリーハブ)をオープン。その2年後(2019年)には、屋号を「ガラス工房 ブンタロウ」に変更。「自分を知ってもらうための場所」「自分を通してガラスの魅力を伝えられる場所」として、アイデンティティに影響した高祖父の名前を工房名にしたそうです。
作り手だから伝えられること
ガラス工房 ブンタロウは工房兼ショップ。月の半分は制作の時間に充て、それ以外の日は“ガラスの魅力を伝える”活動を行っています。「作り手だからこそ伝えられることがあると思うんです。これから挑戦していきたいことは、車に道具を積んで“ガラス工房 ブンタロウ”が各地に出張して、ガラス体験を開催すること。多くの人たちが、ガラスに触れるきっかけを作っていきたいんです」と壷内さん。
温かみのあるガラス
廃瓶を溶かし、壷内さんが息を吹き込んだ作品は、ガラスでありながらも温かみが感じられます。ほんのり青みがかかった色味は再生ガラスならではの色で、透明ながらも深みのある印象を与えてくれます。
ガラス工房 ブンタロウの店内には、一輪挿しやペーパーウエイト、お箸置きなどのガラス小物が並んでいます。グラスや器はオーダーメイド受付け中。好きな空き瓶を持ち込んでオーダーすることも可能なので「オリジナルのガラスアイテムが欲しい」という方は、壷内さんに相談してみてはいかがでしょうか。
沖縄CLIPフォトライター 舘 幸子 http://okinawaclip.com/ja/detail/1533
INFORMATION
基本情報
郵便番号 | 901-2316 |
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住所 | 沖縄県中頭郡北中城村安谷屋1022番地 |
公式URL | https://www.facebook.com/buntaroh.glass/ |
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