cotonowa

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「娘に食べてもらいたくて」から始まったcotonowa

「離乳食をあまり食べてくれない娘のためにパンを焼き始めたのがきっかけでした」

 

 

生地の50%がかぼちゃの、ふんわりモチモチパン

 

沖縄県北中城村(きたなかぐすくそん)にあるベーカリーカフェ「cotonowa(コトノワ)」の亀山さやかさんは、5人のお子さんを育てながらお店を切り盛りするパワフルウーマン。パンを焼き始めた当時、食の細い長女に「何かしら食べてもらいたい」と、人参パンや豆腐パンなど、栄養たっぷりのパンを作り始めたのです。「一番食べてくれたのは、かぼちゃのパンでした」とさやかさん。

 

 

蒸したかぼちゃを小麦粉と同量生地に練り込んだかぼちゃのパンは、まるでかぼちゃを食べているような濃厚な旨味とモチモチ感が楽しめます。そして「餡子とバターを挟んでみたら?」というお客様の声から生まれたのは「かぼちゃあんバター」。cotonowaの人気No.1です。



 

子育て中にパン作りをスタート。そして東京から沖縄移住

 

東京で必死に子育てをしていた時から始まったさやかさんのパン焼き人生。食べ歩きをし、パン教室にも通い、その後独学でパン作りを学び、長女が3才の時に近くのカフェでパンの販売をスタートさせました。もともとパンが好きだったこともあり順風満帆な日々を送っていましたが、2016年3月、そんな亀山家にも転機が訪れました。

 

 

 

「長女が小学校に入るタイミングだったのですが、まわりは受験戦争で…。そういう生き方も良いのですが、うちはちょっと違うかな、と思って。水平線と地平線が見える場所で伸び伸びと子育てがしたいと思いました」

移住先に選んだのは、好きで何度も訪れていたという沖縄県。最初は宜野湾市(ぎのわんし)に住み、4人目が生まれる頃「もう少し広い物件に」と北中城村に住居を移しました。そして「この広さだったらパン屋さんができる!」と、2019年4月にカフェスペースを併設したcotonowaをオープン。店名は、子どもの名前にちなんで名付けられました。

 

 

体のことを考えた、優しいパン

 

「子どもが食べても安心なパンを」と素材にこだわるcotonowaでは、りんごの果汁で起こした自家製の天然酵母を使用し、北海道小麦「春よ恋」、沖縄産の塩、北海道の甜菜糖などを使ってパンを作っています。体への負担を考え、パン生地には卵やバターは使いません。

 

 

「もともと子育ての隙間時間に作っていたので、じっくり1日かけて低温発酵させるスタイルになりました。その方が焦らずに作ることができるので」とさやかさん。ゆっくりと発酵させたパン生地は、小麦の旨味がギュッと詰まっています。

 

 

ご主人も加わり、お店はパワーアップ

 

2021年4月からはパートナーの元(げん)さんもお店に入り、毎日一緒にパン作りをするようになりました。大学卒業後、15年間障害福祉施設で働いた元さんは、第5子の育休期間中にお店を手伝ったことでパン作りに興味を持つようになり、退職したのです。現在はcotonowaの代表・店長を兼任。居宅介護支援事業所を立ち上げ、ケアマネージャーとしても活動を続けています。

 

 

「パンは奥が深いです。同じ材料、配合で作っても、その日によって生地がうまく膨らんだり、膨らんでくれないこともあったり。人間と一緒ですね。そういう時は、焦らないようにしています。無理やり合わせようとすると、不恰好になってしまったり、結局満足できない仕上がりになってしまうので、素材のペースに合わせるようにしています」と元さん。

 

 

ソフト系からハード系まで。おいしい天然酵母パン

 

cotonowaの店頭には、15〜20種類のパンが並びます。

 

 

人気No.2はシナモンパウダーと、隠し味にカルダモンを加えた甘さ控えめのシナモンロール。その他にも、ライ麦を35%配合した「ライ麦ドライフルーツ」、北中城特産のパッションフルーツを使用した「パッションフルーツ クリームチーズ」、豆乳のふわふわ生地に自家製餡子をたっぷりと詰めた「手作りあんパン」、全粒粉の生地にクルミといちぢく、ゴルゴンゾーラチーズを入れて焼き上げた「ゴルゴンゾーラくるみいちぢく」などがオープン時間に合わせて焼き上がります。

 

 

“あったら良いな”がある、繋がれる場所

 

カフェスペースでは、週に1度、産後ケア事業も実施。

 

「第5子は助産師さんに来ていただいて自宅で出産をしたのですが、その時とても心強かったんです。安心感がありました。多くの方がこういう温かいケアを受けられたら良いのに、と思いました。地域にフラッと立ち寄れる場所があったら…と思ってオープンしたのがこのお店です。自分の“あったら良いな”が皆さんの“あって良かった”になることが私たちの幸せです」とさやかさん。元さんは「福祉に携わっていきたいという想いが根底にあります。今後はお店を絡めて、困っている時に誰かと繋がれる場所を提供できるお店にしていきたいです」と話します。

 

 

「お店で働くスタッフの個性も“新たなカラー”として楽しんでほしい」と亀山夫妻。可能性が詰まったcotonowaへ、一度足を運んでみませんか?

 

沖縄CLIPフォトライター 舘 幸子 http://okinawaclip.com/ja/detail/1533

 

 

INFORMATION

基本情報

郵便番号 901-2303
住所 沖縄県中頭郡北中城村仲順275 T103
営業時間 11:00〜15:00
定休日 土曜〜月曜日
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