キモノバナ

  • EM暮らしの発酵ホテル

着物を普段着に。胸がときめく、わたしのキモノ。「キモノバナ」

「着物を普段着として楽しんでもらいたくて」

 

こう話すのは、アンティーク・リサイクル着物の販売やレンタル、着物の買取りを行う「キモノバナ」の代表 山城咲乃(やましろさきの)さん。日常的な衣服のひとつとして“着物姿”を提案します。


 

ボディアーティストから着物の世界へ

 

高校卒業後19歳からボディアーティストとしてキャリアをスタートさせた山城さんは、お客さんの9割が外国人だったため、コミュニケーションの限界を感じてアメリカへ留学。2年間語学を学びながらコミュニティカレッジ(アート専攻)に通いました。帰国後はまたボディアーティストの活動を再開しましたが、ちょうどその頃アンティーク着物のブームが到来。昔から日本文化や着物が好きだった山城さんは「いつか着物で何かできたら」とずっと思っていたそうで、着物を探し求めて買い集めるようになりました。

 

 

当時、山城さんは20代。金銭的に新品の高額なものを買う余裕はなく、主にオンラインショップや骨董市で中古の着物を購入したそうです。時には箱買いすることも。そうすると、中には自分に合わない着物が混ざっていることもあり、試しにフリーマーケットに出品。

「予想していた以上に反響が大きくて、沖縄でも着物に関わるビジネスができるかもしれないと思いました」

 

 

2009年から積極的にフリーマーケットに出店するようになり、翌年にはECサイトでの販売もスタート。2021年に今の場所にキモノバナの店舗を構えました。

 

 

「日本の歴史の中で、着物文化は切り離すことができないですし、衣・食・住の一部だと思うんです。実は、着物で生活してみようと思って、持っている洋服を全て処分したこともあります。1年間、着物だけで生活してみたんです。やってみて“今の様式には合わないこともある”という気づきもありました。美容室や病院、ボウリングは、着物だと難しいです(笑)。ですが、たくさんの中から1着を選ぶ時のワクワク感や、着用した時に気分が上がるのは大事ですよね」

 

 

アンティークから現代着物まで揃うキモノバナ

 

キモノバナのコンセプトは「胸がときめく、わたしのキモノ」。大正から昭和初期にかけて作られた大胆でヴィヴィッドなアンティーク着物や、昭和中期頃のレトロな着物、モダンな現代着物や和装小物などを取り揃え、店舗では常時600種類ほどの着物が用意されています。

 

 

「着物に興味がある方はたくさんいらっしゃるのですが『着ていく場所がない』『着方が分からない』という方が多いですね。でも、もっと自由で良いと思っています。私たちは、日常的な衣服のひとつとして、着物姿を提案していきたいです。今から着物を楽しみたい初心者の方や、コーディネートの相談も大歓迎です」

 

 

着物好きの聖地、沖縄

 

ここ最近「沖縄の魅力を以前よりも感じるようになってきた」という山城さん。

「紅型、喜如嘉(きじょか)の芭蕉布、沖縄市知花(ちばな)の知花花織、南風原(はえばる)の琉球絣、宮古島(みやこじま)の宮古上布、八重山(やえやま)郡竹富町(たけとみちょう)の八重山ミンサー、与那国島(よなぐにじま)の与那国織… 実は沖縄って、着物好きな人にとっては聖地のような場所なんです。希少価値があるものも多く、中には軽自動車が1.5台買えてしまうほど高価なものも。「欲しいから」とすぐ買えるものではないですし、手に入ったとしても日常的には着られないですよね。でも、そういうのって、もったいない。『もっと気軽に着られたら良いのに』と思って、最近は首里織(しゅりおり)の扱いを始めました。これからもっと多くの沖縄の着物を扱っていきたいですし、沖縄に観光で来られた方のために、琉装も充実させていきたいです」

 

 

そして「着物を新たな形で利用するアップサイクルにも取り組んでいきたい」と、更なる目標を語ってくださいました。

「着物をもっと身近に楽しんでみたい」という方は、ぜひキモノバナへ。

 

沖縄CLIPフォトライター 舘 幸子 http://okinawaclip.com/ja/detail/1533

INFORMATION

基本情報

郵便番号 901-2311
住所 沖縄県中頭郡北中城村喜舎場1380-2
営業時間 10:0018:00
電話番号 098-954-6446
公式URL https://www.kimonobana.com

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