米須三線店

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沖縄の伝統楽器「三線」を世界中に響かせたい。「米須三線店」

 

ティン♪トン♪ティン♪トン♪とシンプルな音色が聞こえて、向けた視線の先にはちいさな工房があった。ときおり聞こえる笑い声、何やら楽しそうな雰囲気の「米須三線店」。

 

そこは世界遺産に登録されている中城城跡(なかぐすくじょうせき)や、重要文化財の中村家住宅などの歴史的文化財が豊富な北中城村(きたなかぐすくそん)にあり、沖縄を代表する弦楽器「三線」の魅力を継承・発展に貢献する三線専門店です。

 

 

 

開業を決意するに至った、三線の魅力。

 

「米須三線店」店主の米須睦さんは海外赴任の経験があります。当時は三線を持っておらず、故郷である沖縄もどこか遠い場所になってしまい、ふるさとに想いを寄せることも多々あったのでは。

 

脱サラして沖縄に戻り、三線の音色を耳にした瞬間、「あぁ、これだぁ」と心の底から湧き出るような懐かしい気持ちが芽生えたそう。おじぃおばぁのことや沖縄の原風景が頭をよぎって、心がほっこりと温まったそうです。

 

 

沖縄に心を寄せることができる三線に魅了され、たった一人で「米須三線店」開業を決意しました。

 


 

三線ライフを末永く楽しんでもらうための店作り。

 

三線職人の元で修行を重ね、2005年に宜野湾市(ぎのわんし)で開業し、その後、北中城村に移転しました。老若男女問わず、たくさんのひとに三線ライフを長く楽しんでもらうには、三線の品質が大事なことはもちろん、その後のアフターフォローが一番大切だと考えています。

 

三線の竿の部分に使用する黒木は、収穫まで200年から300年を要し、とても貴重な材料です。米須三線店では、45万円の高値が付く高級な三線から、1万円台から手にすることができる入門三線まで幅広い品揃え。さらに、初心者から上級者、プロの演奏家まですべての三線愛好家の三線ライフを生涯サポートするために、制作から販売・出荷、アフターフォローまで自社で行う自社制作販売にこだわることで、多くの人からの信頼を得ています。

 

 

完全オリジナルのカスタムオーダー三線。

 

琉球王国時代、特に素晴らしい音色を奏でた三線は「開鍾(けーじょー)」と名付けられたそうです。開鍾には盛島開鍾、城開鍾、湧川開鍾、西平開鍾、アマダンジャ開鍾などがあります。その中の一つ、盛島開鍾に使用されていた胴(チーガ)が「盛島チーガ」「盛島開鍾チーガ」と呼ばれ、内部構造が複雑な計算のもとに作られています。そのため、一般的な三線よりも、音色の大きさや余韻に違いが生まれます。

 

 

 

胴巻の模様や、弦を巻く杭のカラクイ、竿の太さや色を変えて見た目を自分好みのものにしたり、胴の構造を変え音色をより豊かな音に変えたりするなど、自分好みの三線にカスタマイズすることも。

 

 

まずは手にとって、気軽に楽しんでもらいたい。

 

沖縄では、床の間から三線を取り出し、歌いながら演奏する姿は今でも多く見られます。皆でお酒を呑み交わし、手を繋ぎ、踊り騒ぐ、賑やかな場を盛り上げてくれる三線。沖縄には欠かすことができない、身近でありながら歴史の深い弦楽器となりました。

 

そんな三線には、ギターのような派手さはありません。でも、三本の弦を単音で弾くシンプルさがあるからこそ、多くの愛好者を生み出すことに繋がったのではないでしょうか。「老若男女問わず、まずは気軽に楽しんでもらいたい」と米須睦さんは話してくれました。

 

 

 

沖縄県外の三線愛好家の多さに驚き、ネット通信販売開始。

 

ある時、内地で行われた沖縄物産展で、三線の展示販売を行いました。三線を手にして、嬉しそうに抱えて帰る姿はもちろんのこと。壊れた三線を持ってきて修理の依頼があったことにも驚かされたそう。壊れた三線を持ってきてくれて、修理された三線を嬉しそうに眺める姿に達成感を感じ、その嬉しさを相当のものだったそうです。

 

その経験から、沖縄県外の三線愛好家の三線ライフを生涯サポートするために、インターネットでの通信販売を開始することになりました。

 

 

三線の魅力を世界中に広げるために

 

インターネットでの通信販売を皮切りに、もっと三線の魅力を広めるため三線奏者を招き、三線教室を開講。初級コースから中級コース、お仕事帰りに寄り安い夜間の部も作り、親切で優しい三線教室とたくさんの三線愛好家に親しまれています。

また、子供たち向けの「三線の絵付け体験」は、小さな頃から三線に興味を持ってもらうために企画したものです。

 

集中力が途切れがちな子どもたちには、手品を見せながら楽しく絵付けしてもらえたと嬉しい様子の米須睦さん。

 

その優しい表情に子どもたちも安心して絵付け体験に取り組み、三線に興味を持ったに違いありません。

 

伝統にとらわれず、現代に適した三線普及を目指し、日本中いや世界中に三線の音色が木霊する日を夢見て「三線の魅力を世界中に広げる」という米須睦さんの様々な挑戦はこれからも続きます。

 

沖縄CLIPフォトライター (株)村上佑写真事務所 https://okinawaclip.com/ja/detail/2046

INFORMATION

基本情報

郵便番号 901-2316
住所 沖縄県中頭郡北中城村安谷屋145
営業時間 10:00〜18:00
定休日 木曜日
電話番号 098-923-4131(ヨイサンシン)
公式URL https://www.instagram.com/komesu34/

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